私はベトナムに来て最初の2年半毎日床屋で髭を剃っていた。日本にいた当時から、もし有り余るほどお金を持ったら一番に何をしたいかと言うと専属の理髪師を雇い毎朝髭を剃ってもらう事であったから。
初めてベトナムに旅行した時、床屋の料金が日本円で約100円だったのに感激して旅行中は毎日行く先々で床屋を探しては髭を剃っていた。大通りで店を構えているのや女性のマッサージ付きのや路上床屋やバナナの葉っぱで屋根を葺いたような掘っ建て小屋のや。
あほな話しだが私がベトナムに住むようになった理由の一つは毎日床屋に通えるからである。ベトナムには大きく分けて三種類の床屋がある。路上床屋、店を構えた理髪店、ともう一つが「いかがわしい系」である。
三つの客筋は交わらない。ひとつ目の路上床屋はそれこそ町中どこにでもあり値段も一番安い。日本円で50円弱。一番多いのが街路樹の下。木陰で涼しいし、小雨程度なら防いでくれる。髪剃りの刃は客ごとに新しいものに代えるので安心。ただし腕は良くない。
次に通りに店を構えた理髪店。日本の大衆理容を更に1,2ランク落としたような店構え。腕はそこそこ。店によっては洗髪もある。洗髪は場所を変えて仰向けに寝て洗ってもらうパーマ屋さん方式。価格は100円位洗髪は別料金。オプションで耳掃除もあり。
そして最後に「いかがわしい系」である。クーラー付きの店で通りから店内は覗けない。店内では化粧の濃いタイトな服を着た若い女の子達がいつも客待ちをしている。入った瞬間から「これは濃厚なサービスが待ってるな」という感じ。
で、結論から先に言うとあれだけいかがわしい匂いをぷんぷんさせながら、お客に期待を持たせながら、結局終わってみたら何にも無い。ごく普通のマッサージをして「はい、終わり」。「詐欺だ!」と叫びたいが値段も300〜500円なので考えてみたら安いもんだ。
なかには本当に風俗店もあるが非常に少ない。しかし一般的なイメージではその手の店は全て「いかがわしいサービス付き」となっている為、私が毎日外で髭を剃っていると店の女の子が「いやらしい!」と言う顔をする。おかげで最近は毎日ブラウンで髭を剃っている。 |