ベトナムは日本と同じくたてに細長い国土を持っていて、北部のハノイと南部のサイゴンでは約1,700km離れています。東京ー大阪間で600km、東京ー青森間でおよそ1,000km。それでも文化習慣、気質、言語ががらっと変わります。
ましてや公共交通機関が未発達で、いまだにハノイーサイゴン間が二日もかかり(飛行機を使えるベトナム人はほんの一握り)、全国ネットのテレビの影響力も日本とは比べものにならないくらい小さいベトナムでは、この二つは、まったく別の国と考えた方が分かりやすいくらいです。
それに歩んできた歴史も気候風土も、また、まったく違います。ハノイの歴史はさかのぼれば二千年、はっきりししているだけでも千数百年あり、その間、千年以上に渡って中国の支配下にあったため、愛憎含めて中国文化の影響をどっぷりと受けています。
それに引き換えサイゴンの歴史は約300年。文化的にも中国よりはフランス、その後入って来たアメリカの影響の方がより色濃く残っています。
ベトナムの国家体制は、今やワシントン条約で保護が必要なくらいにめずらしくなった共産党一党独裁。ハノイにいると時々それを思い出させてくれますが、サイゴンあたりに旅行しても、そんな事はまったく感じられません。
今、日本ではベトナムブームだと言う話しをよく聞くのですが、実際のところはサイゴンブームと言ったほうが正確なんでしょうね。買い物と食事目的でサイゴンに行って、その後、余裕があればメコンデルタ、ニャチャン、ホイアン、ダラット、ハノイ‥のうち何処かに行くと言ったところですか。
今年のテト休みに一年半ぶりにサイゴンに行ったんですが、何処に行っても日本語が聞こえてきました。ハノイで生活していても街で日本語が耳に入るなんてことはめったにありません。
しかしまあ、私自身も、もし旅行するならやはり中南部だと思います。気候は良いし、海はきれいだし、食べ物は美味いし。それにサイゴンは都会だし。逆に人に「ハノイの見所は」とか聞かれると「う〜ん」と答えに詰まったりします。
勿論、ガイドブックに載っているような観光名所をなら並べるのは簡単ですが。心の中では「見所も何も、見てもらった通りこんだけのもんです。これ以上何もありません」とつぶやいたりしています。
人口は多いし歴史もあるし首都でもあるんですが、都会と言うよりは大きな田舎町と言った風情で、住んでる人間も自分じゃ都人と思っているんですが、実際のところは単なる田舎者と言ったところです。まあ、そんなところが好きでもあるんですが。 |