ヘルメット

この6月から、ハノイ市内でのヘルメットの着用が義務付けられると言う話しが出ていました。これまでにも、何度かこの話しが持ち上がっては直前で施行されないままここまで来ていました。

今度こそは本当に施行されるだろうと思っていたら、やはり土壇場で中止になってしまった。結局のところハノイ市内はこれまで通りで、郊外に出たところでここからはヘルメット着用と言う標識が立つと言う事のみになった。

私は日頃バイクを使っているので「ヘルメット着用になったら面倒だな」と思う反面、ひどい事故を目撃したり、知り合いのベトナム人が事故でなくなったりと言うのを何度か経験していると「やはり義務化は仕方ないかな」と言う思いもあった。

しかし、結局ふたを開けてみれば直前で中止。その理由と言うのがいくつかの新聞に載っていたのだが、これが何ともベトナムらしい。

まず取り締まる側の交通警察からは「ノーヘルで捕まえたとしてその場で直ぐにヘルメットを買わすのか?」「捕まえた人間がヘルメット代を持っていない場合はどうするのか?」「交通警察の制服にヘルメットは似合わない!」

取り締まられる側の理由としては「アオザイにヘルメットは似合わない」「葬式の時に白い鉢巻きを巻くのにはどうしたら良いのだ!?」「恋人同士が二人乗りした場合、しっかり抱き合えない」「女性の髪型がヘルメットをかぶると乱れてしまう」「駐車中にヘルメットはどうするのだ。あんなかさばるものを持ち歩くのか!?」等々

以上のような事が、新聞にまじめに、法律が施行出来なかった理由として書かれている。ベトナム人と言うのは、何年付き合っていても思いも寄らないところから反論してくる事があるのだが、こういう記事を見ると彼等の価値観も思考方法も日本人とは全く違うんだなあと改めて思い知らされる。

日本では「何を置いても人命が一番」と言う暗黙の了解があり、それを前提に物事が決まって行くのだが、こちらでは「女性の髪型の乱れ」や「アオザイや制服と似合わない」「葬式の鉢巻き」何てことが、あっさりと人命尊重の上に来てしまったりするんだから、この国を理解するのは本当に大変です。

友達が冗談で「ベトナムゆうのは究極の民主主義やな〜」と言っていましたが、私も「言われてみればそうやな〜」と感心したりしてしまいました。